第3議定書・第4議定書

第3議定書



  象徴の蛇とその意味。国政機構の天秤は不安定である。宮殿のテロル。権力と野望。議会、三百代言、パンフレット。権力の乱用、経済奴隷、「人民の権利」。独占主義者のやり方と貴族政治。メーソン/ユダヤ軍。ゴイムの弱化。飢餓と資本の権利。群集と「全世界の統治王」戴冠。未来のメーソン学校計画の基本方針。社会構造についての科学の秘密。普遍的経済危機。「われわれのもの」(すなわち、わが民、ユダヤ人)の秘密保持。メーソン員の専制・・理性の王国。メーソン員とフランス大革命。シオンの血の暴君。メーソン員の不可視の原因。秘密のメーソン代理人の役割。自由。


  今日、われわれはあと数歩で目標に到達せんとしていると言ってよい。横切るべき空間はあとわずかを残すのみであり、われわれが歩んできた長い道のりは、今まさに象徴の蛇の輪を閉じようとしている。その蛇は、わが民を象徴している。この輪が閉じられるとき、ヨーロッパのすべての国家は強力な万力によって締め上げられるのである。

  当今の国政機構の天秤はほとんど破壊しているも同然である。なぜならば、われわれが、支点を軸として揺れ動き転回させるべく、正確な均衡を欠くように設定してあるからである。ゴイムはしっかり固定してあると思い込んでいて、天秤が釣り合いを取り戻すはずだと、ずっと期待し続けている。だが支点・・王座に即いている王たち・・は、自分たちで押えが利かず無責任極まりない力に困惑する阿呆の役を演じる代議員たちに取り巻かれている。この力は、宮殿内に吹き込まれてきたテロルに負うている。王たちには人民に近付く手だてがない。まさに取り巻き連中のド真中で王位に就いている王たちは、もはや人民を受け入れ、権力を追い求める者たちに対抗する強い力を与えてやることができない。明敏な統治権力と人民の盲目の力との間に、双方ともがあらゆる意味を失うように、われわれは深い溝を設けた。盲人と彼の杖のように、両者は離れ離れにされれば全くの無力となる。

  権力を追い求める者たちを煽動して権力を誤用させるため、われわれは、すべての勢力を相対立させ、独立を得ようとする自由主義傾向を鼓吹するように仕向けてきた。この目的に向って、われわれはどんな形の企てでも指嗾教唆し、あらゆる政党に戦闘準備させ、どんな野望の目的をも権威に対して向けるようにさせた。国家というものを、われわれは混乱した問題の大群が争乱する競技場と化せしめたのである……ほどなく、混乱と破綻があまねく広がるであろう。

  あとからあとから出てくるおしゃべり屋たちが、議場と行政会議の場を討論会場に変えてしまった。向う見ずなジャーナリストと破廉恥なパンフレット屋が毎日のように政府当局を攻撃する。権力に対する悪口雑言はすべての制度を転覆させる最後の一太刀となり、ことごとくが狂乱した群集のめった打ちに会って空中に吹き飛ばされるであろう。

  なべての人民は、奴隷や農奴として縛り付けられていたかつての時代よりもきびしく、貧困なるがゆえに重い労働の鎖につながれている。なんとかしてかれらはこの束縛から逃れようとするかも知れないが、この重荷を取り除くことはできず、決して貧困からは脱却できない。われわれが憲法に書き込んだ大衆に関する権利というようなものは、虚構であって実際に使える権利などではない。いわゆる「人民の権利」なるものは、単なる観念、実際生活では決して実現されるはずのない観念としてのみ存在することができる。おしゃべり屋には無駄口をたたく権利があり、ジャーナリストには良いことも書くが阿呆なことを書きなぐる権利があるとして、生活の重荷に打ちひしがれ、重き犠牲に腰を二重に折り曲げているプロレタリア労働者には、何があるというのか。かつてプロレタリアートは、われわれが説きつけたことに賛成し、われわれが権力の中に潜ませておいたわれらが代理人団の手下に賛成して投票した見返りに、われらが食卓からパン屑を恵んでもらっただけで、憲法からは何の利益も得られなかった……貧者についての共和国の権利とは、皮肉以外の何ものでもない。なぜならば、ほとんど一日中働いている労働者に必要なものは、憲法を使うことによっては全く与えられないだが、その一方で、彼は仲間たちが打つ同盟罷業や主人が行う工場閉鎖によって、確実な生活の資をすべて奪われるからである。

  われわれの誘導によって人民は、貴族階級を全滅させてしまった。人民の福利と密接に結びついた貴族自身の利益のために、貴族階級は人民の唯一の保護者であり養い親であった。現今では、貴族階級の滅亡によって、人民は労働者の首に残酷無慈悲なくびきをつないだ守銭奴の手中に落ちた。

  われわれは、労働者にわが戦列・・社会主義者、無政府主義者、共産主義者・・に加わるよう提案し、振りかかる圧迫からかれらを救出する救世主を買って出る。われわれは、われらがメーソン員が言われなく唱えた(人類団結という)兄弟の定めどおりに、一貫して主義者たちを支援している。貴族は、法律によって労働者が提供する労働の恩恵を受け、労働者たちがよく食べ、健康で、強壮であるかどうかに関心を払っていた。われわれは全く反対のこと・・劣化、ゴイムから生命を奪うこと・・に関心を寄せている。われわれの権力は、労働者の慢性食料不足と肉体的虚弱を必要とする。まさにそうしておいてこそ、彼はわれわれの意のままに従うようになり、われわれに敵対する強さも意志もなくなり、自分たちの権威を見つけ出そうとはしなくなる。王たちが正当に貴族に与えた権力よりも、さらに確実に労働者を資本の権利に従わせるのが飢えである。

  飢えが引き起こす貧困と嫉妬と憎悪によって、われわれは群集を動かし、かれらの手を使ってわれらが行く手を阻む者すべてを掃討するであろう。

  全世界王が王冠を戴く時が至れば、同じ方法を用いて障害となるものをことごとく一掃するであろう。

  ゴイムはわれらの専門家たちの助言なしには、考えるという習慣を失ってしまった。ために、かれらは、われらの王国が実現したあかつきには、直ちに採択しなければならない必要欠くべからざることが見えない。すなわち、公教育の場においては、唯一単純かつ真実の知識、全知識の基礎を教えることが肝要であるということである・・それは、人間生活の構造に関する知識、社会存在のあり方に関する知識、労働には分業が必要であり、従って、人々は階級と身分に分かれなければならないということである。人間活動の実際にはさまざまな差異があって、平等などというものはありえず、なんらかの行為で階級全体に累を及ぼす者と、自分自身の名誉を傷つけるだけの者とは、法律の前では平等の責任を負うはずがないということは、万人が心得ておくことが肝要である。ゴイムには知らされていない秘密であるが、社会構造の真の知識は、身分とかれ離れた仕事をさせないようにしなければならず、個々人に要求される仕事と受ける教育との落差が悩みの元にならないように、万人に実地をもって示そうと思う。この知識を完璧に身に付けたあかつきには、人々は進んで権威に服従し国家に指示された仕事を受け入れるであろう。現状の知識とわれわれが人民を育成してきた方向からいえば、印刷されたものを鵜呑みにし・・われわれがかれらに誤りを吹き込んできたためと、かれら自身の無知のおかげとで・・これまでに考察した身分という身分に対して、全面的に憎悪を燃えつのらせる。それは階級と身分の意味を全く理解していないことから来ている。

  この憎悪は、〝経済危機〟の効果で数倍もの火の手を挙げるだろう。経済危機たるや為替取引を中止させ、工業を停止させるだろう。われわれは、自分たちが熟知している隠密な方法を総動員し、すべてわれわれの手中にある金力の助けを借りて、大規模な経済危機を作り出し、それによって全ヨーロッパ諸国の労働者群集をいっせいにまとめて路上に放り出すだろう。これらの群集は、ただ単に無知であるがゆえに、揺籃時代から羨み妬んでいた連中を喜んで血祭りにあげ、連中の財産を略奪できるだろう。

  かれらは〝われわれのもの〟には手をつけない。なぜなら、襲撃の時機を知っているのはわれわれであり、われわれは財産を守る手が打てるからである。

  われわれは進歩こそがすべてのゴイムに理性の支配をもたらすだろうと強調してきた。われわれの専制は一分の隙もない独裁である。それがいかに、炯眼厳格な方法によってあらゆる不満を鎮圧し、すべての制度慣習のリベラリズムを麻痺させるかを知るだろう。

  一般大衆はあらゆる種類の利権特権は自由の名のもとに生み出されたと見ていて、君主がそれを握っていると思い込み、怒涛のように襲いかかったが、盲人のならいでおのずとあまたの石に蹴つまづく結果となり、案内人を求めて猛進したが、今さら昔の状態に戻ることはできず、われらの足下に全権をゆだねてしまったのである。フランス革命を想起していただきたい。それを「大革命」と名付けたのはわれわれであった。その準備が秘密裡に行われたことを、われわれは熟知している。あの革命は全面的にわれらの手で遂行した一大事業であったのである。

  その時以来、われわれは人民を幻滅から幻滅へと導き、その帰結として最終的には、かれらは、われわれが世界のために準備している、シオンの血を受けた専制君主に、われわれにも頼らずしても賛同するに至るはずである。

  今日われわれは多国家にまたがる勢力として無敵である。何ものかが攻撃しようとも、われわれは他の国家に支援されるからである。ゴイム人民の底無しの無気力さ、権力の前には腹這いになって這いつくばるが弱者には無慈悲、他人の過失には厳しく罪悪には寛容、自由社会制度の矛盾は認めようとしないが思い切った専制者の強圧に対しては殉教者のように耐える・・われわれの今日をあらしめたのは、[ゴイムの]それらの特徴に助けられたところが多い。現在の首相という専制者のもとでゴイム人民は呻吟しているけれども、かつてならその何分の一かの権力乱用でもあれば、王の二十人ぐらいは打ち首にしたであろう。

  この現象、同じ性質の事象と見えることに対する人民大衆のこの矛盾撞着はどう説明したらよいのか?

  ここには厳然たる事実がある。現代の専制者たちはかれらの代理人を通じて、人民に向いこうささやくのである。権力をこういうふうに使えば、国家には害を及ぼすけれども、崇高な目的にはかなっているのだ・・人民の生活保護、国境を超えた人民どうしの友情、連帯、平等の権利という目的には。言わずもがなのことではあるが、かれらは、これらすべてはわれらの統治支配のもとで初めて実現するものだとは言っていない。

  かくて人民は正しいものを罰し、不正なるものを許し、前にもまして、望んだことは何でも実現できると信じ込まされるのである。このような事態のおかげで、人民はあらゆる種類の安定をくつがえし一歩一歩混乱を生み出している。

「自由」なる言葉は、さまざまの人間集団に、あらゆる種類の権力、あらゆる種類の権威、さらには神や自然の掟に対してまで闘争することに入らせた。このため、われわれがわれらの王国を実現したあかつきには、群集を血に飢えた獣に改造する暴力的概念であるこの言葉を、われわれは、目に触れる辞書からは抹殺するであろう。

  獣たちは血をたらふく呑んで腹がふくれると眠り込むので、鎖につなぐのはいともたやすいというのは事実である。だが、血を呑まさなければかれらは眠らず、引き続き闘争を続けるであろう。



第4議定書


  共和国の諸段階。非ユダヤ人のメーソン員。自由と信仰。国際産業競争。投機の役割。拝金教徒。



  どんな共和国もいくつかの段階を経る。その最初は、かなたこなた、右に左に攪乱された盲目の群集の狂瀾が猛威を振るってやまないことから始まる。次はデモゴギー、つまり民衆煽動である。ここから無政府状態が生じ、無政府状態は必然的に専制に向う・・合法的とも明白とも言えない専制、専制の総本山、目には見えず密かに姿を隠し、にもかかわらず目立ってそれと解る、あれこれの秘密組織の手による専制、その活動は幕の蔭であらゆる代理人の背後で働くだけに、手きびしいことでも平気でやる。それら代理人たちは交代するので、不当に襲われないばかりか、秘密の勢力を効果的に助けている。しばしば交代するおかげで、長期活動の報酬が節減できるのである。

  見えない勢力というものを転覆する位置にあるのはいったい誰か?

  ここにこそわれわれの特徴がある。非ユダヤ人を入れてあるメーソン員は、われわれとわれわれの目標の前に立てられた屏風として隠密裡に活動するが、わが勢力の活動計画は、その所在すら人民には全く謎に包まれたままにされる。

  しかし、自由が神に対する信仰や人類愛に支えられ、平等思想と結びつかないならば無害なものであり、人民の安寧幸福になんら害を与えず、国家経済の中に居場所があってもよろしいが、平等思想は自然法則にもとるものであって、平等思想が一段下の思想であることは動かないところなのである。このような信仰をもって、人民が教区の保護のもとにあり、地球に対する神の支配に従う牧師の手に導かれ満足して敬虔に歩んでくれるならいい。そうでないからこそ、われわれは信仰という信仰をむしばみ、ゴイムの心から神の摂理と霊魂なるものを引き離し、代わりに損得勘定と物欲を入れることが絶対不可欠なのである。

  ゴイムに考えたり留意観察したりする暇を与えないためには、かれらの気持を工業や商業に向き放しにさせなければならない。そうしてこそ、国民という国民が利益追求に没頭し、そのあげくにかれらの共同の敵に気をとめなくなるだろう。重ねて述べるが、自由がゴイム社会をきっぱりと崩壊滅亡せんがためには、投機を産業の基礎にしなければならない。その結果、産業が国土から引き出したものは、いくつかの手を通り抜けて投機に手渡される、すなわち、われらが階級に転り込むであろう。

  他人よりも優位に立とうとする激烈な闘争と、経済生活に加えられた打撃とは、薄情冷酷きわまりないな社会を生み出すだろう、いや、すでに生み出している。かように社会は、政治・宗教など高度のものに対する反発を強めるだろう。かれらの生きがいは唯一、利益、すなわち金を集めることである。かれらは金があれば手に入る物質的喜びを求めて、まぎれもなく拝金教徒と化すだろう。次いで時至れば、高尚な目的のためでもなく、また、富を得んがためですらなく、ただただ特権ゴイム憎しのために、ゴイムの下層階級は権力をめぐるわれらの競争相手、ゴイムの知識人たちに逆らってわれらの指導に従うであろう。



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