軍産複合体の正体

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2013/09/13|闇株新聞さんより

軍産複合体の正体

 同時多発テロに続くイラク戦争にも、古くはケネディ暗殺にも、現在ではシリアへの軍事介入にも、米国の「軍産複合体」が関わっていると囁かれます。

 しかしその実態はほとんどわかりません。そこで本日は、世界最大の軍産複合体「ベクテル社」の活動の「ほんの一端」をご紹介します。

 「ベクテル社」といっても、ほとんどご存知ないと思いますが、サンフランシスコに本社を置く世界最大級の総合建設会社です。特にインフラ関連施設(石油コンビナート、原子力を含む発電所、ダム、空港、港湾)の建設を世界規模で受注している多国籍企業です。

 今もベクテル一族が大半の株式を保有する非公開会社で、その実態は全くわかりません。

 ベクテル社の創業は1898年と比較的新しく、1920年代にロックフェラー家のスタンダード・オイルのパイプライン建設を受注し、1930年代にはルーズベルト政権が主導したフーバーダム建設を取りまとめ、米国政府とユダヤ資本との結びつきを強めます。

 ただベクテル家はユダヤ人ではなく、むしろユダヤ嫌いともいわれているのですが、「重要な顧客ならユダヤ人でも構わない」との考えのようです。

 1940年代にスタンダード・オイルからサウジアラビアでの石油精製プラント建設を受注し、その結果ファイサル国王の信頼を得て、中東におけるエネルギー事業に確固たる地位を築きます。

 またアイゼンハワー政権時の1958年に、米国原子力委員会(AEC)長官に幹部社員だったジョン・マコーンを送り込み、原子力事業に本格的に進出します。その後AECの機能は分割され、原子力規制は米国原子力規制委員会(NRC)に、原子力推進はエネルギー省に引き継がれるのですが、当然のように規制・推進双方に強固な影響力を保持することになります(究極のマッチポンプです)。

 そして1981年に発足したレーガン政権では、当時社長のジョージ・シュルツを国務長官に、副社長のキャスパー・ワインバーガーを国防長官に送り込みます。いよいよ政権の中枢を占めるようになったのです。

 そしてジョージ・ブッシュ大統領(父)時代の湾岸戦争、ジョージ・ブッシュ大統領(息子)時代のイラク戦争では、イラクの復興事業として電気・ガス・水道などの整備事業を独占的に受注し、巨額の利益を上げます。

 こうしてベクテル社は、米国政府とユダヤ資本との結びつきを最大限に利用し、米国だけではなく世界的に大規模なインフラ整備を独占的に受注します。

 ベクテル社は軍需産業ではありませんが、戦争によって荒廃した地域のインフラ整備を独占的に受注するビジネスモデルであるため、典型的な「戦争を利用する軍産複合体」といえます。常に戦争を引き起こす「動機」があるのです。

 ところがベクテル社のビジネスチャンスは戦争だけではありません。

 何でしょう?

 そう「災害」です。

 阪神・淡路大震災の復興プロジェクトにベクテル社が深くかかわっていました。もともと明石海峡大橋のボーリング工事を行ったのはベクテル社だったのですが、なぜ「全く地理的に不必要な」神戸空港が建設されたのかが、わかるような気がします。空港建設はベクテル社の主要ビジネスなのです。

 そして、東日本大震災の復興事業にも間違いなく水面下でかかわっています。もともと六ヶ所村の再処理施設はベクテル社が建設指導していますが、なぜ「あんな金ばかりかかる意味のない」再処理施設を作ったのかも、わかるような気がします。

 さすがに震災までがベクテル社の仕業ではないのですが(そういう陰謀論者もいますが)、現時点でのベクテル社の最大の獲物は、東京電力の原子力発電事業だと思います。

 9月9日付け「2020年夏季オリンピック開催決定で思うこと」で書いた、東京電力が解体されて(賠償責任はすべて国に押し付けられて)、儲かる電力事業だけが外資に「タダ同然」で引き渡されるのではないかという懸念は、決して根拠なしに書いたわけではありません。

 最近やたらに汚染水の濃度急増のニュースが出てくるのも気になります。オリンピック誘致も決まったので「東京電力では埒が明かないので外資の専門会社に任そう」との世論を盛り上げるためのような気がします。汚染水は震災時から出ているのです。

 いうまでもないのですが、米国政府に強い影響力を持つベクテル社(など)の前には、日本政府はいいなりになるしかないのです。

 軍産複合体とは、決して軍需産業のことではありません。7月8日付け「スノーデン氏の命運」に書いたブーズ・アレン・ハミルトンもれっきとした軍産複合体です。

 そしてそれぞれの分野に強みのある軍産複合体が、大挙して日本市場を狙ってくるのがTPP交渉です。アフラックは、ほんの序の口なのです。



安倍政権が孕む危険〜アフラック・日本郵政提携とTPP交渉で公約違反が露呈?(ビジネスジャーナル)
 安倍晋三首相が、日米首脳会談後の記者会見で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」と述べたのが2月のこと。
 マレーシアで開かれた、日本が初参加した第18回TPP交渉の全日程が7月25日に終了した。そしてその翌日26日に、日本郵政とアフラックの業務提携が発表された。
http://biz-journal.jp/2013/08/post_2672.html

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