警察の闇!腐敗、汚職、隠蔽

101106 IWJ 仙波敏郎氏インタビュー

 捜査報償費について、「市民の名を騙ってニセ領収書を作りさえすれば」、予算ぎりぎりまで、裏金はいくらでもつくれる。「裏金づくりの中でもっとも単純で悪質な手口」だという。「私の知るかぎり、捜査に協力して謝礼金を受け取った市民は一人もいない。すべて実態のないでたらめだ」と、具体例をあげて断定されている。
 私は、そもそも、捜査に協力すると謝礼金がでる、という制度があることすら知らなかった。その他、「捜査本部費用の半分が県警本部に「上納」」されていることや、「旅費のピンはね」等々、裏金作りに利用されていない制度はないのではないかと思えるほどだ。
 さらには、裏金ではないが、「警察職員になって間もない女性に、上命で無理やり酒を飲ませ、意識がなくなったことに乗じて強姦した妻子ある刑事も処分もされずに警察本部捜査二課に現職でいる」という無法ぶりである。
 ここに、破廉恥極まる警察社会のなかで、ありとあらゆる圧力に抗して、裏金作りに加担せず定年退職に至った稀有の警察官がいる。そのことを確認するためだけにでも、この本は読む価値がある。
 日本の警察の刑法犯罪検挙率の年を追っての上下動に関して、非常に気になる記述がある。
最近の検挙率の上昇には、大きな作為があり、実態とかけ離れた高い数値がはじき出されているというのだ。最近の年金問題その他の不祥事を考え合わせると、国や県で公表される、ありとあらゆる調査結果が当てにならないのではないか、という大きな疑念がわいてくる。
 克明に記述された警察の裏金問題を超えて、現在の日本について考える上で、多くの具体的な手掛かりを与えてくれる、優れた、そして爆弾のような本である。

このページの先頭へ

<!--Amazon Publisher Studio↓--> <!--Amazon Publisher Studio↑--> <!--アクセス解析↓--> <!--アクセス解析↑-->